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汚超腐人目指して頑張る草代さんのブログ。 なりふりかまってないのでいきなりエロネタとかもあるよ。 それにしても酷いブログタイトル。
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「ユキ~!」
バァンと盛大に開け放たれた部室の入口から響く大声に、
部誌にペンを走らせていた手が止まる。
白雪は顔を上げ、仁王立ちで現れた大神に目を向ける。
「なに?」
こいつの登場パターンにいちいち驚いてはいられない。
大神は何がそんなに嬉しいのか、両手を握り締め満面の笑みでこちらに駆けて来る。
いいなぁお前は、人生楽しそうで。

「ユキの考えたメニュー、筋力アップに繋がったって監督が褒めてたぞ!」
「なんだそのこと。今回はたまたま結果が出ただけだよ。
前のは選手への負担が大きいって殆どハネられちゃったし」
「でも今回のは認めてもらえただろ?スゲェって事!」
その屈託のない笑顔が、どうにも気恥ずかしくて目を逸らせてしまう。
「‥‥ありがとう」
小さく呟いた白雪の声が聞こえたのか、大神はにかっと破顔する。
「おう、これからもバンバン新メニュー頼むぜ!」
わしゃわしゃ。
土と太陽の匂いのする、大きな手が白雪の髪を乱暴に撫でる。
痛くはないが、行為自体が妙にくすぐったい。
白雪は肩に着くか着かないかの髪を振り、軽く睨む。

「それ、いつもやめてって言ってるでしょ」
「あー悪い!つい・・・・」
困ったように目尻を下げる大神に、白雪はしょうがないなぁという視線を向ける。
大神はもともと他人の頭を撫でる癖がある。
出会った当初から、何か嬉しいことがあれば誰彼構わず髪をぐしゃぐしゃにしていた。
その一番の被害者でもある白雪は、行為自体に慣れることはなかった。
撫でられるたびに大神に注意はするのだが、癖というものはそう簡単になくなるものではない。
しかも子どもたちに野球を教えるようになってからその傾向はますます酷くなり、
白雪の溜め息の数は増えた。
元より大神はバカ・・・・いや、大らかな性質だから、
いちいち目くじらをたてるよりは、こちらが先に諦めたほうがいいのかもしれない。

「そんなに嫌か?ガキどもは頭撫でたら喜ぶんだけどなぁ‥‥」
「あの子らとボクを一緒にしないでよ」
ふうっと溜め息混じりに非難めいた視線を送る。
今度一緒にしたら尻がどうなるかわかってるよな。
「あ、そっか!今度からは気をつけるって事!」
ビシッと親指を突きたて、ばちっとウインク。
どうしてこいつは恥ずかしいポーズほどよく似合うんだろう。
「じゃ、オレまだ片付けあっから!」
「うん、がんばって」
ばたばたと慌しく駆けていく背中を、微笑んで見送った。


ふ、と眩しい光で目が覚めた。
目の前の白い壁と、書類が重なったデスク。
デスクと対角線上の隅に置かれたベッドと、本棚以外に家具らしい家具は何もない。
殺風景という言葉が似つかわしい、見慣れた自室だった。
右頬の鈍い痺れと、背中に不自然な痛みで、座ったままうたた寝をしていたことに気づく。
デスクの左側のベランダに目を移すと、熟しきった果実のような夕日が飛び込んで来た。
先程の眩しさはこれのせいか、とまだ気怠さの残る頭で思う。
軽く頭を振ると、結った髪がさらさらと質感とともに左右に揺れる。
過ぎた時間の分だけ重さを増した髪は、夢と比べると鉛のように重い。
まだ覚醒とは程遠い意識が、白雪の思考を夢の中へと押し流していく。
何気なく過ごした日々が、こんなにもかけがえのないものになるなんて、
思いもしなかったあの頃。
苦手だった頭をなでる癖も、本当は大好きだった。
「大神‥‥」
お前はどうしてまだボクのもとへ会いに来るんだろうね。
実体を持たない再会ほど、虚しいものはないのに。

「あ、こんなとこにいた」
突然の声に後ろを振り仰げば、部屋の入口にほっとしたような顔の猿野が立っていた。
「居るなら居るって返事してくださいよ、何回チャイム鳴らしたと思ってんすか」
よく見ると、猿野は腰に猿野酒店と書かれた膝丈エプロンを着けていた。
どうやら頼んで置いた酒の配達に来てくれたらしい。
「うん、・・・・ごめん」
夢と現実の狭間で彷徨っているような気分で、うまく返事が出来ない。
ぼんやりしていると、ふと髪に優しい何かが触れた。
いつのまにか目の前にいた猿野が、白雪の髪を梳いていた。
「昼寝でもしてたんすか?寝癖ついてますよ」
淡い暖色の光の中、目尻を下げて笑う姿が、不意に夢の面影と重なる。
夕日に照らされたその笑顔が、声が、てのひらが。
残酷なほどに、胸を掻き乱した。


「うあッ!?」
猿野は突然の出来事にどうしたらいいのかわからなかった。
飛び込んできた不安定な重さに、咄嗟に足を踏ん張る。
煙草と香水の綯い交ぜになった香りとともに広がるさらりとした質感の髪と
背中にきつく回された腕とで、抱きつかれたのだと知る。
「し、白雪さん?」
自分より幾分低い位置にあるつむじに、控え目に声をかける。
返事はない。
いっそ振り払ってしまおうかと背中に回された腕に手を掛けた瞬間、
その腕に力がこもった。
「‥‥ごめん、今だけ・・・・だから」

普段の飄々とした態度からは予想もつかない、搾り出すような声音。
初めて目にする白雪の弱い部分に、どうしたらいいのかわからない。
とりあえず離れるのは諦め、白雪の頭にことんと自分のそれを重ねた。
蜜色の夕日の中で暖かそうに揺れる硬質な髪に鼻の先を埋めると、
さきほどの苦いような甘いような香りがする。
もし寂しさに色や匂いがあるのなら、こんな感じなのかもしれない。
今まできっと誰にも見せなかった弱いところを、恐らくはじめて吐露したのだろう。
選ばれたのがなぜ自分だったのかは、不本意だが理解できるような気がした。
そして、それをはっきりと拒絶できない何かが、自分の中にある。

「ごめん、ごめんね」
小さく謝る声音が、震えるように響く。
猿野にはなぜだか「ごめんね」が「寂しい」と言っているように聞こえた。
どうやら自分も白雪の情緒不安定さに感染してしまったらしい。
少し躊躇した後、おそるおそる白雪の背中に腕を回す。
初めて子犬を抱くような不器用さと繊細さで、ぎゅう、と抱きしめる。
体温の低い体に、自分の体が熱を持っているような錯覚を覚える。
「大丈夫だから」
白雪にではなく、夕日に向かって言葉を紡ぐ。
「オレは、離れていかない」
そういって、背中を優しくポンポンと叩いてみる。。
背中に回された腕が、すがりつくように猿野の服を掴んだ。
多分、自分自身でもどうにもできない、抑えられない感情がこのひとの中にもあるんだろう。
こうしていることで、その気持ちが少しでも楽になればいい。
このひとの抱える寂しさを埋めることは出来ないかもしれないけど、
どうにもならないとき、こうやって想いを抱き留めるくらいのことは出来るかもしれないから。

「あの、さっきはごめんね」
猿野を見送る玄関先で、白雪は俯きがちにぼそりと謝った
「いや、いーすよ。なんか、おかしかったっすよね、二人とも・・・・」
本当に、どうかしていたとしか思えない。
「うん・・・・あ、寝起きだったっていうのも、あったし、ね」
ぎこちない白雪の言葉に、猿野も口調を合わせる。
「あと、ホラ、夕日?判断力が鈍るとか言いますもんね!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
必死の理由付けが、そこはかとなくむなしい。
しかもお互いに先ほどの行為を思い出してしまい、結局は気まずくなってしまった。
猿野はそろそろこのあたりが限界だと判断し、
「じゃ、ありがとーございました。またご利用ください。んじゃ!」
問答無用の営業スマイルと文句のつけようのないお辞儀を残し、
脱兎のごとく駆け出していった。
白雪は目をしばたたき、ため息をついて部屋に戻る。
猿野は全速力で階段を駆け下りたところで、荒い呼吸を何度か繰り返した。
二人の心を占めるのは、永遠のような、一瞬のような、誰そ彼時の触れ合い。
「なんで、あんなことしちゃったんだろう・・・・」
同時に呟いた言葉は、風に乗ってふわりと消えた。

おしまい。

 
夕暮れ時は人間が一番判断力が低下する時間帯なので、
男同士がLOVE②してても「夕日のせい」とか言い訳できる!と喜び勇んで書いた。←BAKA
色とか匂いとかは漫画じゃ表現しにくいかなぁと思って文章にしてみたけど。
いたたまれないほどの語彙不足で穴があったら入りたくなった。←入ったらもっと恥ずかしい
携帯で通学時間にやってたんだけど疲れるなー!文字かきさんマジスゴイ・・!
わたしはストーリーより描写が長くなっちゃうので読んでてタルイかもです。
描写するの好きなんだよね、ボキャブラリー貧困なくせに!

というか雪たんがそこはかとなく受けっぽくてへこんだ。
これ猿雪じゃまいか!
いや、私の雪猿は精神的には猿雪なのでいっちゃいんだけど・・
こんな乙女な雪気持ち悪いなぁ。←自分で書いておいて
たまには弱い雪たんもイイ!・・・・と思うけどイメージしたのとは違うな、あーあーあーあー。
雪猿の何が楽しいって照≒猿、照≠猿・・・・照≦猿・・?照<猿!の、途中経過です!
男同士とか年の差とか代用?とかの葛藤とかねーああもゆす。
でもそれらを乗り越えた雪たんは居直り具合がすごいと思うデス。
すごい きちく せめ だと おもう です。

あとね。
スイさああああん!雪猿絵ありがとぉおお!
やったぁこれであたいあと10年くらい寿命延びたよ!!!!!!!!
わたしの雪猿の10倍の破壊力です・・・・あああああもえゆー!
やはり他人様が恵んでくださるものは、ええのぅ・・・・
落ち着いて心臓・・・・わたし多分雪猿のエロ漫画とか与えられたら死ぬわ。
合同誌でも死に掛けたモンね!イベント会場で変な汗かいたもんね!

漫画の続きをアップするつもりだったんですが、
フォトショが調子悪いのでまた次のブログでやります。
有言実行できてなくてすいません。反省ですのー(ブタザル

明日は入社式ですのーやってらんねーですのぉおおおお!!!

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草代さくら
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なんだかんだ言って
ただの腐った女子です。
雪たんの話題を振られると
恐ろしい速度で食いつきます。
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